人生再起の記録

30代後半で仕事・お金・友達・人脈を失ったところからの再起の記録

映画よりひどい自分に焦った 映画「カンパニー・メン」を観て

映画「カンパニー・メン」という映画を観ました。

カンパニー・メン [DVD]

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 内容は、大手造船会社を37歳でリストラされ、再起する物語。

 

 この映画のキャストは、「アルゴ」の監督であり主演を演じたベン・アフレック、数々の作品で名脇役を演じているクリス・クーパー、そして説明不要のケビン・コスナートミー・リー・ジョーンズで、4人ともが作品賞や男優賞などでアカデミー賞受賞経験があります。

さらに、この映画は、アメリアの映画評論家からも高評価を得ていました。

 

とは言え、内容がリストラからの再起の物語なので、「自分には縁がない話かな」と思っていて観ることはありませんでした。

だけど、僕は30代後半の今、仕事を失い、お金がなくなりました。この映画と境遇が同じだということで、今回初めて見て観てみました。

 

観た感想ですが、、、

今の僕の境遇の方が映画よりひどいということを知り、めちゃくちゃ焦っています。

 

一般的に映画って、どういうテーマであれ、何においても強めの演出がされる部分があると思うんです。

素晴らしいことも嬉しいことも、酷いことも悲しいことも。

そして、その強めの演出に感動するんだと思います。

 

だけど、この「カンパニー・メン」に関しては、主人公が置かれている状況よりも今の僕の境遇の方が酷く、焦りました。

「えっ!?今の僕は映画よりもヤバイ状況なんだ」と。

 

具体的には、以下。

■主人公は、市場価値の高い人材だった

主人公はMBAホルダーで、リストラされる会社でも部長クラスの職責でした。そして、数万人いる大会社の副社長からも評価されていました。

 

主人公は、元の年収や少し下がるくらいの年収を希望したがために、なかなか転職先が決まらなくて厳しい現実にぶち当たりますが、かなりの高給から下げる話なので、生活が脅かされるということではなさそうでした。

 

主人公には子供が2人いて、その教育費や家のローンのことを考えれば、収入が下がることは大変なことかもしれない。

だけど、育児や家事のために専業主婦をやっていた奥さんは、看護婦で仕事をしようと思えばすぐに見つかる職種でした。実際に、主人公がリストラされてから、すぐに看護婦として働き始めています。

 

そして、主人公の3ヶ月分の解雇手当もあり、奥さんの収入と合わせると収入がゼロになることはなかった点で、「あれ?そんなに危機的な状況ではないんじゃない?と思いました。

少なくとも僕よりずっといい状況でした。

 

■生活から贅沢さをなくせばよかった

主人公はポルシェに乗っていて、家には車が2台ありました。

主人公がポルシェを手放さないので、奥さんと「売る売らない」と言い合いになりますが、そのレベル。

結果的にポルシェは売るのですが、驚いたことに別の安い車に変えます。つまり車は家に引き続き2台のままです。一台でなんとかやっていこうという状況にはなりません。

 

豪華な家も売りますが、すぐに売れますし、一時的に実家に間借りします。つまり、家賃ゼロです。4人家族が間借りできるほどの実家であるところも恵まれているように思ってしまいます。

 

主人公は、たとえ一時的であっても実家で暮らすのを嫌がっていますが、僕に言わせれば、「間借りできる場所があるだけいいよね」と思います。

僕にはそんな場所はありませんから。

 

あとは、主人公は旅行を諦めるのが辛いとか、買ったばかりのゲームを返品したとか、そんなレベルです。

 

僕は、そもそも普段から贅沢をしていない中で、更に生活レベルを下げたり、必要な物でも売却してなんとかお金を作って乗り切ろうとしているので、なんだか主人公が感じる辛さにとても共感できません。

 

■周囲に仕事をくれる人がいた

奥さんのお兄さんが建築業をやっていて、「仕事に困ったら、うちの仕事を手伝え」とリストラ当初から主人公を気に掛けて仕事をくれます。

 

だけど、主人公には、建築の仕事なんてやりたいくないというプライドがあって、せっかくくれる仕事を拒否します。

 

結果的に、建築の仕事をやることになりますが、「仕事をすぐにくれる人が周囲にいるなんて、なんて恵まれているんだ!」と思わずにはいられません。

僕にはもちろんそんな人はいません。

 

■元会社の役員に誘われて就職できた

主人公の転職先はなかなか決まらないのですが、最終的に、元会社が新たに作る会社に誘われて就職します。

人脈を活かして割とあっさり決まってしまいます。

 

しかも新しい会社は元の会社と同業種なので、これまでの経験を十分に活かせる仕事です。

 

僕には人脈がないので、主人公のように誘われることはありません。

 

この映画を見て、なんだか自分の置かれている状況は、映画を超えるくらい本当にヤバイところにいるんだなと思わされました。

 

とにかく仕事を見つけないと!

 

ちなみに、各役者の演技についてはすばらしいです。

この映画はセリフのないシーンも多いのですが、考えていることや伝えようとしていることが表情に上手く出ています。