人生再起の記録

30代後半で仕事・お金・友達・人脈を失ったところからの再起の記録

箱根駅伝は、ランナーを10人から20人に増やしたら?

 

僕は、陸上競技をやっていたことあって、陸上の大会には小さな大会から大きな大会まで関心があり、箱根駅伝も毎年テレビで観ている。

過去には陸上仲間や知り合いが何人も箱根を走った。

高校時代から箱根を走ることや優勝を目指した彼らが身近にいたことで、箱根駅伝が学生ランナーにとって、どれだけ特別な大会なのかを知っているつもりだ。

その上で思うことがある。それは、

 

「ランナーを10人から20人に増やしたらいいじゃない?」ということ。

 

箱根駅伝は、学生ランナーにとって憧れであり、目標であり、そして青春である。そんな尊い大会。

だけど、同時にランナーの足に大きな負担がかかる大会だ。

有名な坂道の区間である5区・6区は、その坂道が負担だけなく距離が23kmを超える長さだ。テレビの画面を通して観るとあまり坂道に見えないのだけど、実際に走ると壁みたいな坂だ。ランナーでない人でも箱根の山を車で走るだけで、「ここが走る場所じゃない」ことを知ることができる。

5区、6区以外のコースも4区を除いて20キロを超えてくる。

(1区:21.3km、2区23.1km、3区21.4km、4区18.5km、5区23.2km、6区20.8km、7区21.3km、8区21.4km、9区23.1km、10区23.0km)

ハーフマラソン程度の距離だから、マラソンの42kmを前提に考えてしまうと、感覚的にそれほど長くない距離に思ってしまう。だけど、箱根駅伝の他の大学駅伝(出雲大学駅伝、全日本大学駅伝)はほとんどの区間が15キロに満たない、区間によっては10キロに満たない距離なので、箱根駅伝だけが特別に長い距離を走る駅伝となっている。

 

一方で学生の陸上競技は、トラック競技がメイン。

箱根を目指す学生の多くはトラック競技の10000mの練習をする。
10000mと箱根駅伝で走る20kmとでは走りに求められるものが異なってくる。
そのため、学生は10000mと箱根駅伝用の練習をしなければならない。

これは、かなり足への負担が大きい。

足への負担が大きい一番の問題は、故障のリスクが増えること。

箱根駅伝で一線の競技から引退し一般ランナーとしてやっていく学生は、足への負担が大きくても良いだろう。極端な話、箱根が走れるのだったら潰れてしまっても何の後悔もないだろう。

しかし、故障のリスクが増えて困るのは、卒業後も職業ランナーとしてやっていこうとする学生、特にオリンピックや世界陸上への出場やメダルを目指すような学生にとっては、故障のリスクが増えることは避けたい。

しかし、箱根用の練習を(しかもハードな練習が必要)をしないわけにいかない。世界を目指す学生だって箱根は走りたい。

 

壁のような坂があり、距離が長い負担の大きな箱根駅伝を、引き続き開催し、学生の負担を今よりを減らして、足の故障のリスクを減らす方法として僕が思ったのが、今の距離を分割して走ること。

 

10人で走るところを20人で走れば、足の負担が減る。距離も10キロ程度になるので、箱根用の練習は、これまでに比べればずっと少なくなる。
坂道対策の練習は必要だけど、それでも半分の距離になれば、負担は減り、故障のリスクも減る。

また、10人しか走れなかったところが20人走れるようになることで、夢の箱根を走ることができる学生が2倍に増える。今の距離が短くなっても箱根を走りたい学生は多いと思う。

 

箱根を走った名選手が、卒業後に故障しがちで記録が伸びず、世界で戦えていないという事実を踏まえて世間では「箱根駅伝不要論」まで出ているけれど、僕は箱根駅伝は今後も開催していって欲しいと思う。

高校野球もそうだけど、箱根駅伝も目指す学生が多くいる。
中には「出場すること」を人生の目標として学生だっている。

だから目指さない人が「不要」という人は、自分の人生の夢や目標を、それを目指さない人から「不要だ」と言われたときの、悲しさを想像して欲しい。

 

ただ、目指さない人が気にするべきは、箱根駅伝の後もランナーとして活躍していきたい、世界を目指していきたいという学生だろ。その学生だちが、大きな負担による故障のリスクを減らす環境にすることではないだろうか。