人生再起の記録

30代後半で仕事・お金・友達・人脈を失ったところからの再起の記録

オフィス街で名刺交換を求める人たちは何を得る?

今の職場はオフィス街なのだけど、街を歩いていると毎日のように「名刺交換して欲しい」と声を掛けられる。

彼らの表向きの言い分は、「研修中で、(僕はこんなに頑張ってるので)ぜひ名刺交換をお願いします」と情に訴えるパターンがほとんどだ。

僕は、いかにも名刺交換してくれそうな人なのだろうか?声を掛けられることが多い(気がしている)。

しかし、ここで名刺交換したら、たいていは営業電話がかかってくることを知っているから対応しないけれど、僕にも同じような研修の経験があるから、決して邪険には扱わず、一応は丁重にお断りしている。

「残念だけど、名刺交換はできません。大変ですね。だけど、頑張ってくださいね」

 

僕も新人時代に「名刺獲得研修」と称して、飛び込みでオフィスを回ったことがある。彼らのように街でいきたり声を掛けて名刺交換してもらうスタイルではなく、受付で担当者を呼び出すスタイルだけれど、それでも辛かった。

アポなしで突然来られたら、たいていの担当者からは嫌がれるし、時には「非常識だ」と怒る担当者だっている。最も辛かったのは、既に取引している会社に飛び込むこともあって、大きなクレームに繋がったこと。

ちなみに僕は、この研修の名刺獲得実績が同期の中でも悪い方で、営業職からは外されることになる。

そんなことまでして行う名刺獲得研修だけど、この研修を通じて身に付くことは何か?

僕が獲得研修の時に、上司や先輩に言われた身に付くことは以下の3つだった。

・行動量の大切さを知る

・精神的にタフになる

・営業リストをゲットできる

 ただ、実のところ、僕はこの研修によって上記が身に付いたとは思っていない。

名刺獲得研修ではなく、その後すぐある実務を通して、行動量の大切さを知ったり、精神的にタフになったり、営業リストも別の方法でゲットできるようなった。

営業リストについては、名刺獲得研修でもらった名刺は全く使えなかった。挨拶だけでもらった名刺で、その後の商品の成約には一つも繋がっていなかった。

だから、名刺獲得研修は、単なる儀式でしかなかったというのが僕の結論だ。

 

だけど、今でも、名刺獲得研修と称して、街中で見知らぬ人に突然声を掛けて、名刺交換を求める人たちがいる。

僕らのときよりもマーケティングの手法も進化してきたのにも関わらずだ。

今でも、名刺獲得研修が行われている理由は、本当の効果はさて置き、研修経験者が、「名刺獲得研修で得たものがあった、効果があった」と、声高に言っているのだろう。そして、後輩たちにもやってもらいたい(もしくは、自分たちだけ辛い思いするのは嫌だから、後半にもやらせたい)となっているんじゃないだろうか。

だから、その後も名刺獲得研修は継続されるのだろう。完全に体育会のノリや伝統を重んじる世界だけど。

 

僕は、オフィス街で街行く人と名刺交換をお願いする名刺交換研修を経験した人に、出会ったことがない。だけど、出会ったら、ぜひ一度聞いてみたい。

その名刺交換の研修で本当に得たものはなに?と。

僕と違う感想を持った話が聞けるかもしれない。