30代後半だけど、ももいろクローバーZ主演映画「幕が上がる」が大人も楽しめる青春映画で感動した
アイドルグループ、ももいろクローバーZ(以下、ももクロ)を知っているだろうか?
僕は、一応AKBも、乃木坂も、ももクロも、グループ名は知っている。
だけど、それぞれのグループのコンセプトの違いみたいなものは知らないし、個々のメンバーについてはもっと知らない。AKBは卒業したメンバーは何人か知っていたけれど。
そんな程度の知識しかない僕だけど、先日、ももクロ主演映画「幕が上がる」を観る機会があった。
何の期待もせずに見たこともあるけど、30代後半にして、アイドル出演の青春映画に思いのほか感動してしまったので、書き記しておこうと思う。
ストーリーとしては、「高校の演劇部が全国大会を目指す話」というシンプルなもの。
評価している点は次のポイント、
◎演技の素人をキャスティングしたところ
ももクロは、映画などには出演したことがないようだ。
だから、やっぱり演技は下手。だけど、下手なので役者っぽくなくて「そこらへんにいそう」な感じがしてよい。
◎作品の中で演技が上手くなっていくところ
そんな演技が下手なももクロのメンバーたちが、演劇部での練習を通じて本当に演技がうまくなっていく。これは見所だと思う。感動するポイントだろう。
ももクロを全く知らない僕でも感動したので、ファンが観ると、もっと大きな感動があるのかもしれない。
◎高校が静岡県立の高校で素敵なところ
撮影地は静岡県だ。そして、よく学園物のドラマや映画の撮影で使われる、私立の高校や短大ではなく、静岡県立の公立高校だ。静岡県立庵原(いはら)高等学校を使ったようだ。
県立高校を使ったことで、いい感じのすたれ具合が校舎全体にも校舎にもあって、映画の中というより、「そのへんの高校」というリアリティさを作り出している。
きっと、「そのへんの高校」感は大人が観ても入り込めるポイントとなっている。
◎主人公がチャリ通学なところ
高校を県立高校を使ったことに関連するけれど、チャリ通学をしていることで、より一層の「そのへんの高校」や「そのへんの高校生」感を作り出している。
そして、チャリを押し話しながら下校するシーンは、なんだか安心感を与えてくれる。
◎スマホや携帯電話は1回だけしか出てこないところ
今の高校生が観たら違和感があるかもしれないけれど、主人公たちはスマホや携帯を使っていない。主人公が一度だけ、先輩が主人公を呼び出すために、電話連絡がスマホに入るだけだ。
30代後半の僕の高校時代は、携帯電話はもちろん、ポケベルも全員は持っていなかった時代。
そんな30代後半以上の僕たちからすると、なんだか親近感や安心感があってよい。
この親近感や安心感は、携帯電話やデジタル機器が作中に出てこない、あだち充の漫画(タッチ)などを読んでいる時に感じるものと近い。
◎女優「黒木華」の演技力が素晴らしい
ももクロは演技が下手で、演劇部という設定を通じて上手くなっていくのだけど、それでも、さすがに役者ほとではない、そこをカバーして余りある素晴らしい演技をするのが女優「黒木華」。演劇部の顧問役を演じている。
黒木華は、NHK連続テレビ小説「花子とアン」で主人公の妹「安東かよ」を演じて、注目されるようになった。
この「幕が上がる」は、ものすごくおススメな映画とまではいかないけれど、シンプルな青春もので少し感動したい時には、レンタルしてみてもいい映画だと思う。