初めての海外での仕事を終えて
30代後半にして人生初めての海外での仕事を終えた。
40度を超え、湿度は日本の真夏以上という暑さの中、ただえさえ汗が噴き出して止まらないのに、ネクタイとジャケットを身につけ、商談にのぞんだ。
日本語と英語を話せるベトナム人と、英語を話せる韓国人と、アメリカ人と、英語で商談するのは初めての僕の4人。
結論言うと、アメリカ人の英語が聞き取れない場面が何度かあったけれど、日本語が分かるベトナム人に時々通訳してもらいながら、なんとか乗り切った。商談も一応のゴールには辿り着けた。
商談は、2つのテーマを計4時間行い、英語で4時間も英語漬けになることも、もちろん人生初で、正直終わったら頭も体もぐったりだった。
ベトナムまで来る前は、英語で商談なんてできるかどうか不安だらけだった。しかも、全員母国語が異なるメンバーで、そんなグローバルな商談なんて経験してことがないから、なおさら不安。
だけど、意外となんとかなった。複雑な交渉ごとが発生しなかったということもあるけれど、英語での商談をやりきったことは、一つの自信になったと思う。
1つ目の商談を終えた後は、4人でベトナム料理を食べた。
ベトナム人いわく、ベトナムでは中の上クラスで有名なレストラン。
確かに生春巻きもさすがに本場だけあっておいしい。
そして、冷えていないビールもアジアに来ている感じがした。
ぬるいけど、とにかく暑くてのどが渇いているからおいしいハノイビール。
商談が順調に終わったため、2日目の昼過ぎから半日ほど時間を作ることができた。
僕は、かつて学生時代はバックパッカーだった。
そのバックパッカーの血が騒ぐのは止められない。
ホテルに戻ってネクタイを外し、シャツを脱ぎ、Tシャツと短パンに着替え、街に繰り出した。
最初に向かったのは、フォーの屋台。
100%ベトナム人のお客さんの屋台に突っ込んでいった。
この店を選んだのは、多くのお客さんで賑わっていたから。
フォーは、白い麺なんだと思っていたら、少し茶色っぽい。
どうやらこれがスタンダードみたいだ。
めちゃくちゃおいしかった。
このフォーの値段は30,000ドンで、日本円で180円くらい。
僕の隣で食べていたベトナム人の男性が話しかけてきて、以前に日本に留学をしたことがある日本語が話せる人だった。
彼からフォーの食べ方などいろいろ教わっていてたら、なんとおごってくれた。
社会人になって、旅先でおごってもらうなんて思いもしなかった。
フォーを食べた後は、市場に向かった。
ドンスアン市場というハノイで一番大きな市場。
建物の中は、なおいっそう蒸し暑く、汗がいよいよ止まらない。
よくこんなところで働けるなと感心するばかり。
市場の周辺でパイナップルを売るおばちゃんからパイナップルを購入。
値段は10,000ドン(60円)。
少しすっぱい感じもしたけれど、暑いのですっぱいくらいがちょうどいい。
市場のあとは、ベトナムの建国の父、ホーチミンが眠る、ホーチミン廟へ。
この中に、ホーチミンが冷凍保存されて眠っているとのこと。
残念ながら、ホーチミン廟は午前中しか公開しておらず、中には入れなかった。
市場からホーチミン廟に向かう途中、タクシーでちょっとした詐欺にあった。
タクシーのメーターが早く進むように仕組んであるタクシーに乗ってしまった。
感覚的に、50,000ドン(300円)くらいの距離なのに150,000ドン(900円)を請求されて、久しぶりに
そして、夜。
商談で一緒だったアメリカ人から電話がかかってきて、4人で飲もうという話になった。場所は、韓国企業のロッテが今年建てたばかりのロッテホテルの屋上のバー。
65階の高さ。もちろんハノイで最も高い建物だ。
ちなみに、ハノイは韓国企業の進出が目立っていて、ファーストフードはマクドナルドはないけれど、ロッテリアはたくさんある。
バーからは、ハノイの夜景が綺麗に見えた。そして、蒸し暑いハノイでも65階にもなれば心地よい風が吹いて、気持ちの良い中でお酒を飲んだ。
最終日の出発の朝、再び市場に向かって、食べておきたいものがあった。
フランスパンのサンドイッチとベトナムコーヒー。
ベトナムではフランスの植民との影響でフランスパンを食べる習慣があるのだけど、これが本当にうまい。ベトナムで食べた中で一番おいしかったかもしれない。
値段は15,000ドン(90円くらい)。
ベトナムコーヒーは、「ブラック」を頼んでもすごく甘かった。
ブラックじゃないやつだど、どれだけ甘いんだろうか?
ベトナムの仕事を無事に終え、後半は観光もできて、なかなか良い出張だった。
バトナムの平均年齢は28歳で、とにかく若さ溢れる国で、みんな元気に働いている。
商談で一緒だったベトナム人は27歳だけど、割と大きな会社のそれなりのポジションだった。若い人でも大きな仕事を当然のようにする。
その中でも女性が働くのが目立った。飲食店も市場も女性がやっている店ばかりだった。
ベトナムではなんでも商売になる状況らしい。家の前でちょっとしたオープンカフェを開けば、一家4人を養えるぐらいの収入を得ることができるらしい。
だから、ベトナムでは、副業をしている人がほとんどで、副業が本業の収入を超えることもめずらしくないという。
そして、そんなこともあって、ベトナム人は真面目によく働く。
まだまだ貧しいのかもしれなけれど、貧しいなりに毎年確実に収入が増え、確実に生活が良くなる。そんな時代にいるのがベトナム。
刺激をもらえる出張でもあった。
明日から、僕も一歩ずつ頑張ろうと思わされた。