30代後半だけど肉体労働のブラックバイトをした
30代後半にもなって、今の自分は、仕事もお金もない。
そして、人脈もないし友達もいない。
正社員の仕事はおろか、バイトさえ採用にならずに3ヶ月。
だが、ようやくバイトの面接に進むことができ、先日その面接に行った。
仕事の内容としては、飲料水を保管する倉庫での軽作業だった。
時給は1,000円。
僕が大学生の時(1990年代後半)はバイトの時給相場は軽作業だと900円くらいだったから、100円ほど上っている。
バイトの面接に行くと、50代くらいのおじさんが僕を対応し、部屋に案内され面接を受けた。
まず面接の冒頭で仕事についての説明を受けたが、求人広告の内容と実際にする仕事に乖離があることを知る。
求人広告では、倉庫内の軽作業となっていたが、実際には倉庫内での重作業、飲料水の容器(1個20キロ)をトラックへの積み降ろしする仕事だった。
このことは問題と言えば問題なのだけど、求人広告ではよくある話だ。
僕は人材業界に割と長く働いていたから、その実態はよく知っている。
割と簡単な仕事で釣る(応募させて)、実際はもっと大変な仕事をやらせる。
更に、勤務開始から1ヶ月から研修期間は時給1000円ではなく、950円 だという。そんなことは求人広告には書かれていない。しかも、飲料水の容器をトラックへ積み降ろしする作業に研修1ヶ月もいらないし、最初の1ヶ月間が戦力にならないとおも思えない。
研修期間が時給が低くなるというのはよくあるけど、求人広告に書いていないのは割と悪質なケースかなと思う。
更に更に、残業代の割増はないとハッキリ言われた。
正社員で働いていると残業代すら出ないことも多いので、日本で働く多くの人が残業代について感覚が麻痺しているかもしれないが、一応、日本の法律では、休憩を除いて8時間以上勤務する場合は、通常の時給に25%上積みして給与を支払わなければならないことになっている。
だけど、当たり前のように「残業割増なし」という。
いろいろブラックバイトな雰囲気が満載だが、採用された。
僕は今、金が全くない状況で、どんな仕事でもしたいという気持ちでいるため、採用してくれるのならと働いてみることにした。
面接後、「詳しい説明は当日にするけど、簡単に倉庫を案内する」といって、広い倉庫を歩いて案内してもらった。
そこでは、中国人や西アジアあたりの外国人が多く働いていた。
僕は、今からこの出稼ぎ外国人労働者と同じ仕事をすることになるのかと思うと、正直悲しくなった。
「大学卒」というものに何の価値のない世の中だとは分かっているけれど、親に大学まで卒業させてもらって、一応は、曲りなりも正社員として15年以上働いてきて、まさか、出稼ぎで来ている外国人の方々と肉体労働で食いつなぐことになるとは夢にも思わなかった。
だけど、どれだけ条件が悪くても1円でも稼げるのなら、生きるためにはするしかないと言い聞かせる。
面接した50代のおじさんは、歩きながら、とても重要なことを言った。
シフトは週5で勤務時間は8時〜18時半。社会保険はなし。
正社員が働く時間の3/4の時間を働く場合は、社会保険への加入が昼用という法律があるけれど、全くおかまいなしようだ。
ついには、このおじさんは「自分はこの仕事を15年やっているが、今も時給だ。有給もないから休んだら収入ない」という。
これも法律では、週の勤務時間に応じて働きだしてから半年後には有給が発生することになっている。
このおじさんは15年もこの会社で働いていて有給もないのか。
これは相当なブラック会社だなと確信する。
勤務初日、初日に簡単に作業の説明を受け、作業に入る。
やはり研修なんて必要なくて、指示の通りに難なくいち戦力になる。
ちなみに、やはりというか当然というか、人としての扱いを受けなかった。
例えば、社員(もしくはバイトリーダー的な人)からは訳もなく罵倒される。仕事はできているのに罵倒されるのがとても不思議だった。この人たちは自分より下の人間を作って罵倒しないと生きていけないのかもしれない。
例えば、昼の休憩は30分もない。
ちなみに法律では6時間を超える勤務の場合は45分、8時間を超える勤務の場合は1時間の休憩時間を与えなければならない。
そもそも30分しか休憩がないのは、昼食が摂れないというよりも肉体労働的にとてもきつい。
初日やってみて、時給950円稼げるといっても、とても続けれないと思った。近いうちに腰を痛めるか体調崩すかどちらかだろう。
というわけで、初日で辞めることにした。
もちろん、初日のバイト代は支払われなかった。
請求するのも面倒だから諦めることにした。
30代後半にして、学生時代以来15年ぶりにバイトをしてみたが、中途半端に社会経験がある分、「やってられない」と思ってしまった。
振り返ってみると、金がないからなんでもやるという焦った気持ちから、応募してしまった今回のバイト。
冷静になろう。
いつも焦って悪い結果となったことが多々あったではないかと自分で自分を諭す。