自分の価値を市場のニーズに合わせると人生変わるかもしれない「プロフェッショナル 仕事の流儀」を観て
30代後半で仕事を失い、お金もなく、人脈がなく友達もいない。
仕事は全く見つからない。
選考で落とされる度に、15年ほど社会人やってきたのに自分には労働市場価値がないのかと落ち込みつつ、いやそんなことはないと気を取り直しつつ、仕事を探している。
そんな中、NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」を観て、気付きがあり勇気付けられたので紹介したい。
取り上げられたのは、仙台市にあるスーパー「主婦の店 さいち」という、夫婦が経営者するローカルスーパーの話。
主婦の店 さいち [秋保温泉]のグルメ・レストラン 徹底ガイド - フォートラベル
家庭の味だという惣菜やおはぎが大人気で、これらを求め多くの人が開店前から並び、すぐに売り切れてしまう。
「主婦の店 さいち」は、80歳になる老夫婦が経営している。
35年前の44歳の時に営んでいた運送業が事実上廃業となり、新たなスタートとしてスーパーを始めた。
だけど、全くうまくいかない。
安さを売りにした低価格競争で勝負したため、資本力のある大手に負け、赤字が続いていた。
更には、スーパーを始めてから5年後には奥さんが病気で倒れ、一時は生死をさまようほどの事態になってしまった。
幸いにも現場に復帰はできたものの、相変わらずスーパーの経営改善の突破口は見えず、経営は追い込まれていた。
そんな中・・・
■ 得意な料理で突破口を作る
毎日売れ残るほうれん草を奥さんが得意にしていた料理で、ゆがいておひたしの惣菜として販売してみた。
数少ない常連客から「ほうれんそうをゆがいて食べるのが面倒だ」というニーズがあったから。
販売したほうれん草のおひたしは完売し、お客さんから「ありがとう」と感謝までされたという。
これを機会に、奥さんは得意な料理で惣菜を作って販売することにした。
奥さんは、経営が追い込まれ新たな挑戦への投資ができる状況でもないという崖っぷちになって、自分が得意としているものを自分で気付き、その得意な料理を「作るのが面倒」というニーズに合わせることで経営改善の突破口を作った。
自分が持っている価値について自分で気付き、市場のニーズに合わせることでビジネスに結びつけることができた。
奥さんのこの話を聞いて、僕は、自分が持つ価値について、自分では気付けていないなと思った。そして当然、その価値を市場ニーズに合わせたることもできていない。
僕の仕事が見つからない原因の一つはここにあるのだろう。
■ フィードバックを反映して売れる商品へ
いくつかの種類の惣菜を販売するようになったが、最初は厳しい意見ばかりだった。「うちの惣菜の方がうまい」と。
だけど、奥さんは作り続けた。
作り続ける中で僕が素晴らしいと感じたのが、奥さんは、お客さんのフィードバックを徹底して反映し、売れる商品としていったところ。
お客さんに「しょっぱい」と言われれば塩の量を調整し、どんな些細な味の注文も反映した。
そして、味についてわからないことがあれば、お客さんに電話をかけて質問した。
そうして、フィードバックを反映し、売れる商品にしていった。
現代の特にネットビジネスの新サービスでは、「まずは小さく始めて、顧客の声を反映しながら完成系に近づけていくこと」(リーンスタートアップ)が主流となっているけれど、この「主婦の店 さいち」は30年前からこれを実践していた。
この話を聞いて、僕は30代後半になる今まで、あくまで会社の中での評価やフィードバッグを受けてきただけだなと気づく。
会社の外、つまり市場からの評価やフィードバッグを受けてきたことはなかったし、その評価やフィードバッグを反映して自分の課題克服に繋げることもなかった。
そして、市場からの価値が低い状況を、仕事を探そうとする段階で知ることになってしまった。
■自分が欲しいものではなく、お客さんが欲しいものを作る
フィードバックの徹底した反映と関連することだけど、奥さんは、自分がおいしいというものを作るのではなく、お客さんがおいしいと思うものを作っていた。
当たり前のことかもしれないけれど、これをできていないことって多いんじゃないかと思う。
「いいものを作れば売れる」という考え方も、「いいもの」と「自分が思う」ものを作って販売しているケースは多いのでは?
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今回の「プロフェッショナル 仕事の流儀」からは、以下のことを学びました。
■自分の価値を把握する大切さ
■その価値を活かせる市場のニーズを把握することの大切さ
■フィードバックを徹底して反映することの大切さ
■相手の欲しいものを提供する大切さ
今の僕は、仕事もお金も人脈も友達もないけれど、自分の価値を知り、市場ニーズを知って自分の価値を合わせていければ、人生を再起するためのきっかけになるのではないかと思った。
「主婦の店 さいち」のご夫婦がそれまでの仕事を失敗し、44歳でスーパーという商売でリスタートして、スーパーの経営も失敗しながらも失敗から学んで成功させていったあたりのことは、今の僕にはぐっときて勇気付けらる。
ちなみに、今回のエントリは、奥さんの話がメインになったけれど、売れる商品作ることが奥さんの仕事なら、売れる仕組みを作るのが旦那さんの仕事で、番組ではそこについても紹介していて、参考になることが多かった。
佐藤啓二・澄子(2015年3月2日放送)| これまでの放送 | NHK プロフェッショナル 仕事の流儀