人生再起の記録

30代後半で仕事・お金・友達・人脈を失ったところからの再起の記録

一人でビジネスをゼロから立ち上げて、一人で軌道に乗せた経験のある人材を採用したい企業が意外と多い

30代後半の転職活動は非常に厳しく、いまだに仕事は決まらない。

だけど、この6ヶ月ほどの間に数十社の面接をしてるため、企業が求めている人材の経験やスキルに同じような傾向があることが分かってくる。

その中で驚いたのが、新規事業の求人をしている企業は、「一人でビジネスを立ち上げて、一人で軌道に乗せた経験のある人材」を求めていることが多いということ。

企業が求めている主な経験・スキルは以下の通り。

・商品やサービスをゼロベースで自分で企画・立案

事業計画策定

・会社からの予算獲得

・商品の開発(できれば自分で開発、できなければ外注)

・実際の販促・営業活動

・PL/BS管理

・計画の達成

 

つまり、ある商品・サービスの企画から、販売して、計画を達成するまでを一人でやり遂げたことがあるか?ということ。

 

僕は、これまでのキャリアで、新規事業の立ち上げに関わったことが何度かある。だけど、いずれも既に「このような商品やサービスにしよう」という大枠が決まっていたり、決まっていなくても「この領域で新たな商品やサービスを作ろう」ということが決まっている状態で、加わった。

この時点で、ゼロベースで自分で企画・立案していないので、僕は上記の要件はクリアしていない。

更に、これまでの僕のキャリアでの新規事業立ち上げは、少ない時でも最初から3人くらいでスタートして、役割が分かれていた。企画だったり、開発だったり、営業だったり。立ち上げなので役割に縛られずに相互補完はしていたけれど、企画・開発・営業とその周辺のことを含めて一人でやったことはない。これで完全に上記要件をクリアしなくなる。

 

僕が率直に驚いたのが、事業をゼロから一人で立ち上げて、一人で売って、一人で計画通りに進めることができた人って、転職市場にそんなにいないんじゃないのか?ということ。だけど、そのような人材を求めている企業が多いということ。

それだけ、事業の立ち上げをワンストップでやり遂げた人には市場価値があるということなんだろう。確かに一人で全部できたら、会社にとってこれほど効率的な新規事業の立ち上げはない。

だけど、僕がこれまで働いてきた環境にそんなスーパーマンはいなかった。もし、スーパーマンになれる人がいたとしても、最初からチームを用意されるため、おそらくスーパーマンになることができなかっただろう。これは、僕がある程度の組織の大きい会社にいたためかもしれない。

 

逆に、ベンチャー企業や中小企業なら、新規事業に最初から何人も投入するわけにはいかないから、スーパーマンは生まれるかのかもしれない。

そうすると、ベンチャーや中小企業で、新規事業を立ち上げて軌道に乗せた人は、今の転職市場では非常に市場価値があるということになる。しかし、ベンチャーや中小企業で新規事業をゼロから一人で立ち上げて軌道に乗せた人って、今いる企業の中で少なくとも事業部長や役員を任せられるなど、それなりのポジションにいるんではないだろうか?もちろん、報酬面でもそれなりの待遇も受けているかもしれない。

 

その環境から飛び出して、別の会社のいち事業の立ち上げを再びゼロからしようとする人は、いるかもしれないけれど、かなり稀なケースのように思う。

あくまで想像だけど、ベンチャーや中小企業で一人で事業を立ち上げて一人で軌道に乗せた経験やスキルがある人なら、次のステップとしては、起業するとか独立するとか、自分の力でやってみたくなるんじゃないか、という気がする。

 

実際のところ、一人でビジネスを立ち上げて、軌道に乗せた経験をのある人材を求めている企業の求人は、ずっと募集中であることが多い。

僕が6ヶ月前に面接で落ちた企業の新規事業の求人は今も募集中だ。エージェントを通して確認したところ1年以上前から募集中の企業もある。やはり、それだけ、転職市場にスーパーマンは少ないということなんだろう。あるいは、もしかしたら単にその企業たちが、スーパーマンから見向きもされないだけなのかもしれないけれど。

 

それにしても、6ヶ月や1年以上も新規事業がスタートできない状態もどうなんだろう。新規事業は何よりもスピードが大切だと思うのだけど。