人生再起の記録

30代後半で仕事・お金・友達・人脈を失ったところからの再起の記録

大企業出身者が嫌いなベンチャー経営者たち

ベンチャー企業の面接を受けていると、大企業で長く働いていた大企業出身者を毛嫌いする経営者に出会うことがあります。

大企業で働いていたことが、なんだか悪いことみたいな言い方をする人さえいます。

特に僕のように学校を卒業してから、新人時代から10年以上大企業で働いている30代後半への風たりは厳しいです。

 

彼らが大企業出身者を嫌う理由は、主に以下の通りです。

■ 大企業の看板があるから売れた人に、何の看板もない当社では売れない

■ 分業された業務しか経験のない人に、一人が何役もこなす当社では無理

■ 大企業でお金が使える環境にいた人は、当社の厳しさに耐えられない

 一つずつ見ていきたいと思います。

 

■ 大企業の看板があるから売れた人に、何の看板もない当社では売れない

確かに、僕も大企業の看板からは、恩恵を受けていたと思います。実際に僕は、「◯◯社さんだからお願いしようかな」と、会社の名前に助けられた経験が何度もあったので、大企業の看板の威力は実感しています。

おそらく、僕の実感していた以上に会社の看板からの恩恵は大きかったのでしょう。

会社の看板がなかったら売れなかったかもしれない、会社の看板がなかったら協業できなかったかもしれない場面はきっと多かったはずです。

だから、ベンチャー経営者の中に、大企業の看板で売れてこれた人が、看板や知名度のないベンチャーでは売れないというのも頷けます。

大企業で出した成果は、一部のベンチャー経営者にとっては、「自分の力で出した成果ではない」という感じなのかもしれません。

30代後半にもなると、「あなたはこれまでずっと大企業の看板でしか売ってないから、うちのような何の看板もない環境ではとても売れないでしょ」と断言されてしまいます。そして、これに対しては、何もない環境で売った実績がないだけに、根拠を持って「いえ、売れます!」と言えないところが苦しいです。

 

■ 分業された業務しか経験のない人に、一人が何役もこなす当社では無理

 これも大企業出身者を嫌うベンチャー経営者はよく言います。

営業は営業を、マーケティングはマーケティングを、開発は開発を、と職種で仕事が分かれている大企業の環境で長くキャリアを積んできた人は、それしかできないでしょ、ということです。だけど、ベンチャーでは、メインの仕事を持ちつつも、それだけやるのではなく、他のこともやってもらう必要があるという。

これについても、確かにそうかもしれません。

大企業だと、新規事業以外で一人何役もこなすケースは少ないでしょう。

 

だけど、ベンチャーだから一人何役もこなす必要があるというのは、少し違うのでは?と思うのです。

ベンチャーでも設立数年のスタートアップ期だったら、どんな会社でも一人何役もこなすと思うのですが、設立10年以上も経つベンチャーで未だに一人何役もこなすという状況は、経営上や組織上の何か問題があったりないないだろうかと思ってしまいます。

 

もちろん、設立10年以上のベンチャーであっても大企業に比べれば、人員は限らげているので、自分の職務だけやることないと思いますが、それでも業績が軌道に乗れているのであれば、多少は分業になるんじゃないだろうかと思います。

意外にも設立10年以上のベンチャーでの面接でも普通に「一人何役もしてもらうから!」と言うところがあるので、 少し不思議に思います。スタートアップ期でないベンチャーで一人何役もしながら働くメリットって、なんだろう?と思ってしまいます。

 

■ 大企業でお金が使える環境にいた人は、当社の厳しさに耐えられない

潤沢な予算を使える大企業と違ってベンチャーでは、予算なんて使えないから、何をするにも厳しいのだということです。

開発費や広告宣伝費にお金なんてほとんど使えない。

競合が多い中で開発費や広告宣伝費が使えると有利であることには違いない。

確かに、そうかもしれません。

 

だけど、疑問に思うのですが、世の中にすでにあるサービスを提供して、大企業も含め他社と競合してマーケットを取った取られたと展開していくのがベンチャー企業なのか?と。

 ベンチャーとは、世の中にないサービスを新たに作って、新しいマーケットを切り開いてしていくもので、大企業でお金が使える環境にいたとかはあまり関係のないように思うのですが。また、お金が使えたとしても、その分だけ求められる結果は高くなるわけで、その意味で厳しさは、お金が使える使えないに関係なくあるように思います。

 

ベンチャーの中には、大企業出身者も歓迎するところもあります。ですが、大企業出身というだけで、過小評価されることがあるということは、今回の転職活動で痛感しました。