人生再起の記録

30代後半で仕事・お金・友達・人脈を失ったところからの再起の記録

30代後半の同僚がうつになりまして。同僚の異変に気が付いていたのに、気が付いた止まりだった。

僕と同じ年代の30代後半の同僚がうつになった。

3週間ほど休職することになった。

同僚は心身ともに疲れて、状態はかなり酷いようだ。

同僚がうつになってしまったことに、残念な気持ちと、休職するほど酷くなる前に同僚として、もう少し僕にもできたことがあったなという悔やまれる気持ちがある。

そんな訳で、反省点を書き留めておこうと思う。もちろん、同僚のプライバシーには配慮しつつ。

 

まず、同僚がうつで休むようになった経緯。

同僚は、5月にベトナムへの海外出張の際に、あまりの暑さ(気温42度)に負けて、屋台で氷の入った飲み物を飲み、氷も食べた。

その結果、おなかを崩し、帰国後も社内で打ち合わせをしているときにも、何度も離席しないといけないほど状態は悪かった。

僕は、ある程度の衛生状態の悪い国への旅慣れをしていたし、これまでに、同僚と同じシチュエーションでおなかを壊した人を何人も見てきた。

同僚の心配をしつつも、僕がこれまでに見てきた「アジアでおなかを壊した人たち」に比べてすごく悪い状態ではなかったので、「病院に行って薬もらった方がいいですよ」とありきたりなアドバイスをした。

 

その後、病院に言って薬を服用した同僚は、おなかの調子は徐々に回復した。
だけど、おなかの調子が回復したあとも、その後も体調は不調のようだった。
熱がでたり、頭が痛くなったり、おなかが痛くなったり。
時々、遅刻することも会社を休むようになった。

 

同僚は、仕事のペースが落ち、僕が仕事を部分的に手伝うことも増えた。

僕の会社はベンチャーで、一人一人が、プロジェクトと川上から川下まで一人でやることが多い。ハイプレッシャーな仕事でもある。だからこそ、仕事で困ったことがあったらお互いに支えあう仕組みができている。

そのため「仕事のペースが落ち、困っている」から手伝うことは、自然なことだった。僕だって、この同僚や他の同僚に何度も手伝ってもらっているし。

ushinattta.hatenablog.com

同僚と仕事で日々接点を持っている僕としては、異変を感じていた。

「体調を崩しやすくなった」「仕事のペースが遅くなった」「仕事に漏れや抜けが増えた」など、同僚の変化に気がついていた。

僕は、以前の職場で何度も「メンタルヘルス研修」や「メンタルヘルスマネジメント研修」を受講していたから、うつへのシグナルについては、知っているはずだった。

知っていて、気がついて、なぜ、同僚への通院の提案や、直属の上司や人事などに伝えることに繋げられなかたのか。

 

気付いた止まりになった原因の一つが、周囲のバイアスだった。

同僚が「体調を崩しやすくなった」、「仕事のペースが遅くなった」、「仕事に漏れや抜けが増えた」と周囲に相談すると、

「あいつは、割と体調も仕事にもムラがあるからね。前から体調も割りと崩しやすいし、仕事も乗っていればスピード感あるけど、乗れないと一気にペースダウンするタイプだし、集中力も高いときと低いときの差が激しくて、低いときは、本当に漏れなどのミスが多いんだよね」

僕は、今の会社に就職して4ヶ月ほどで、うつで休職することになった同僚についてもこの4ヶ月間のことしか知らない。半年前や1年前の同僚のことは知らない。

だから、周囲から同僚について「前から」の話を聞くと、そのまま受け止めてしまった。そのため、結局、同僚の変化に気付いた止まりになった。

同僚が休職するという結果を受けて、周囲の判断ではなく、いつもと違う変化に気がついた自分に従い、行動していれば、すごく良い結果は無理でも、今とは違う少しだけマシな結果にできたのではないかと思わざるを得ない。

「知っている」、「気が付いた」、「分かっていた」だけでは、何も改善できないのに。

昔、部活の顧問から指導を受けて、「分かりました」と答えるけれど、何も改善されたない僕に、『行動に移せて初めて、その事を「知っている」「気付いている」「分かっている」と言える』と、何度も怒られたことを思い出した。

 

今は、止まってしまった同僚の仕事の一部を代わりに進めている。ベンチャーで人的リソースが限られているため、同僚の代打はいないし、かと言って同僚の仕事の性質上を止めることもできない。僕も含めて周囲が部分的に代わりをして対応していくことになる。

当然、僕はこれまでの業務をしながらなので、新たな負荷が掛かる。

僕も自分自身にも配慮しながら、そして、同じように仕事を代わりに対応する同僚にも配慮しながら、進めていこうと思う。そして、自分にも同僚にも変化があれば、気が付くだけでなく、その後の行動に繋げていこうと思う。

そして、うつで休職中の同僚が戻ってくるのを待っていたい。

 

ツレがうつになりまして。 (幻冬舎文庫)

ツレがうつになりまして。 (幻冬舎文庫)