人生再起の記録

30代後半で仕事・お金・友達・人脈を失ったところからの再起の記録

「転職35歳限界説が変わる」から転職しやすいわけではない

先日の日経新聞に、これまで35歳以上は転職が難しかったが、最近は少しずつ変わりつつあるという記事が出ていました。

www.nikkei.com

記事によると、35歳以上を採用する企業が増えてきたということです。だけど、だからと言って35歳以上が転職しやすい環境になりつつある、とは考えない方がよいと思います。その理由は2つです。

■ 35歳以上の求人増加は、リーマンショック時との比較のため

確かに全体の求人数が増えてきているので、比例して35歳以上の求人も増えているのは事実でしょう。ただ、比較が2010年です。ご存知の通り、リーマンショックの影響で多くの企業が中途採用を絞り込んでいたのが2010年です。僕は当時、とある人材会社で働いていましたが、中途採用支援の事業は大赤字でした。僕が働いていた会社だけでなく、多くの人材会社は一気に業績が悪化して、リストラする会社も多かったです。そのくらい中途採用は絞り込まれていました。

そのため、中途採用の底であった2010年以降に、35歳以上を採用する企業が増えているのは、当然でしょう。

 

■ 35歳以上で求められるのは高い経験とスキル

35歳以上を採用しているといっても、35歳以上に求められているのは、管理職の経験が豊富であるとか、事業責任者の経験があるとか、海外での勤務経験があるとか、高い専門的スキルを身につけているとか、「明らかに前職で高い実績を出している市場価値の高い人」です。

市場価値が高く、そして前職では物足りなさを感じていている人にとっては、転職環境は良くなってきているかもしれません。少なくともリーマンショック後の2010年と比べると確実に良くなってきているでしょう。

しかし、前職で「悪くはないけれど、それなりの実績」という35歳以上の人は、実は転職市場においては、自分が思うよりもずっと市場価値が低いです。そして、引き続き35歳以上の転職は厳しい環境です。

これは、30代後半である僕が、2014年〜2015年にかけて6ヶ月ほど転職活動をしてみて日々感じていたことです。20代後半、30代前半でも転職をしたことがある僕ですが、35歳以上での今回の転職活動は、20代後半、30代前半と比べて転職活動はかなり厳しいものでした。

僕は直近の企業を短い期間で、しかも既に離職していて、転職における大きなマイナス要因がありました。だから、一般的な35歳以上の人より厳しい条件だったかもしれません。しかし、それを差し引いても、35歳以上に求めらることは、管理職の経験が豊富であるとか、事業責任者の経験があるとか、海外での勤務経験があるとか、高い専門的スキルを身につけているといったレベルで、これからの経験やスキルがない僕にとっては、非常に厳しい転職活動でした。

 

「転職35歳限界説が変わる」は、転職市場において35歳以上に求められる経験やスキルがある人にとっては一部そうかもしれません。しかし、多くの35歳以上にとって転職環境が変わってきたというわけではありません。

35歳以上で転職を考えている人は、転職活動を始める前にまず自分の市場価値が高いものであるかを把握するところから始めることをおすすめします。自分の市場価値は転職エージェントなど使うと、ある程度は客観的に把握することができます。

 

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